歴史

②あずまかるたを歩く 「伝え来し 古き山門大徳寺」(前橋市小相木町)

まだ訪れたことがない人は、ぜひ一度足を運んでみてください。

いにしえの香りを今に伝える、天台宗「五徳山大徳寺」(前橋市小相木町)。名所旧跡が少ないと言われる前橋東地区ですが、この古刹を訪ねれば考えが変わるかもしれません。地域が誇る歴史的な建造物です。

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創建当時は古市町にあった

あずまかるたの読み札の裏面には、解説文が書いてあります。コンパクトにまとまっていて、いつも重宝していますが、これによると、大徳寺は1615(元和元)年に開かれました。当初、古市町にありましたが、1664(寛文4)年の火災で焼失し、江戸時代中期に現在地に再建されました。

読み札に「伝え来し 古き山門大徳寺」とあるように、堂々とした構えの総門(写真上)に目を奪われます。

総門は、1712(正徳2)年、宮大工の田村八兵衛によって建造されたと伝えられています。

この腕のいい宮大工は、東箱田後家町の伝統行事「かつぎ地蔵まつり」の記事で紹介した「後家の八兵衛」その人。大徳寺総門のほか、後家稲荷本宮(前橋市後家町)、伊香保・水沢寺の六角堂を手掛けました。

総門は、大徳寺多宝塔とともに市重要文化財に指定されています。

高さ18メートルのクロマツ

門をくぐると、広がっているのは、手入れの行き届いた、緑豊かな庭園。右手には枯山水があり、石畳が本堂へ向かって伸びています。

左手には、市から保存樹木に指定されている高さ18メートルのクロマツがありました。太い幹は、うねるように曲がり、傘のような見事な枝張り。

立派な枝張りのクロマツ

続いて、見えてくるのは保存樹木のモミジ。一般的に日本庭園や公園で見かけるモミジは、幹がそれほど太くありませんが、このモミジは太い。標識によれば、樹高も9.5メートあり、見上げてしまうほどです。

石畳の先にあるのが本堂です。

 

本堂は、均整のとれた美しい造り。近くには日本天台宗の開祖である最澄「伝教大師」の像があります。

歩いて来ましたが、まるで古都を旅行しているかのような気分に。静寂のなか、歴史と緑に触れ、ふうと癒されました。

天台宗の開祖である最澄「伝教大師」の像

大徳寺 群馬県前橋市小相木町91

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