「地域包括支援センター」って何するの?㊤ 東地区 小菅宏美さんに聞きました。

「介護のことで困ったら、最初に地域包括支援センターに行くといいですよ」。テレビや新聞でも、こうしたアドバイスを見聞きします。でも「自分の地域にはあるの?」という人も多いのではないでしょうか。前橋市地域包括支援センター東(川曲町)の管理者で、主任介護支援専門員の小菅宏美さんに、役割や地域福祉の現状について聞きました。

「地域包括支援センター」という言葉はよく聞くのですが、実際にどういうことをしているのか分からない人も多いと思います。役割について教えてください。

介護保険法の中で位置付けられている高齢者の方を総合的に支援するための相談窓口です。介護保険は概ね65歳以上を対象にしていますが、40歳以上65歳未満の人も、がんなど特定疾患に該当するような方は介護保険を利用することができます。

生活に支障が出ているものは何なのか、きちっと評価し、何に起因しているのか聞き取った上で、必要な制度やサービスに結びつけていくのが私たちの仕事になります。「地域包括」という名前の通り、地域に住んでいる人のお困りごとの最初の窓口です。

前橋市内にどれぐらいあるのでしょうか。

生活圏域ごとに1カ所、計12カ所あります。30分以内ぐらいで駆けつけられ、すぐ対応できるように地域ごとに設置されています。

前橋市の場合、市役所のなかに市直営の「地域包括支援センター中央」があり、このほか11カ所は医療法人や社会福祉法人が委託されています。東地区は社会福祉法人・滝川会が運営する「あじさい園」(川曲町)の中に「地域包括支援センター東」があります。

相談の門戸を広げるため、地域包括支援センターに加え、サブセンター的な「ブランチ」という身近な相談窓口が市内に11カ所。東地区には済生会前橋病院隣のあずま荘(上新田町)の中にブランチがあり、初期の相談を受け、包括につなげています。

職員みなさんの平均的な一日のスケジュールはどういうものですか。

勤務は8時半から5時半です。包括支援センターでは保健師や看護師、社会福祉士、主任ケアマネジャーら専門職がチームになって多角的に対応していきます。朝のミーティングでいろいろなケースの情報を共有して対応できるようにします。その後は訪問による相談を行います。窓口にはいつ来ていただいてもいいように必ず誰かが張り付いています。

また、介護保険サービスの要になっているケアマネージャーからの相談を受け、支援しています。ケアマネージャーがきちんと制度を使えるように事例検討会や情報交換会も包括単位で開催し、底上げを図っています。地域の人から地域づくりの相談も受けるなど、決まったルーチンの仕事はありません。

東地区は若い人が多い地域ですが、日頃地域を回り、どんなことを感じていますか。

昔から住んでいる人と新住民が混在している地域です。新興住宅地があり、たくさんの若い人が流入してきました。東小学校は市内で最も児童数の多い学校です。箱田中学の前に大きな道路が抜けたことによって、大きな店もできました。

一方で、昔ながらの本家新宅があり、例えば「石坂さん」がたくさんいてお互いを下の名前で呼び合うようなところもあります。

世帯の状況は、三世代同居は多くないという印象です。単身者もそれなりに多い。

50年前に住宅団地が分譲され、高齢化率が約4割の大利根町のような地域もあります。

新しく入ってくる人が多い地域ですが、住民の支え合いは盛んなのでしょうか。

財政的にも厳しく、少子高齢化で担い手も少なくなっている中、介護保険だけでは地域福祉を賄えなくなってきています。以前は縁側のお茶飲みがあり、隣近所のおつきあいが深かったものが、今は隣近所の縁が希薄になっています。以前だったら地域で緩やかな見守りができていたものが今は仕組みを考えていかないといけない。

東地区のすごいところは自治会長さんや民生委員さんをはじめ、多くの人が他人事ではなく、自分のこととして、お互いがお互いを支え合う地域をつくっていかなければいけないんだ、という認識をしっかりもっていらっしゃることです。なんとかして地域を住みやすく、年を取っても安心して暮らせる地域にしていこうという気持ちが強い方々が多い。支え合う活動は本当に活発です。

わたしたちの窓口が開いている時間は八時半から五時半までです。夜見られない部分がありますが、例えば「あの家の電気がずっと点いているので心配だから」と連絡してくれます。実際に駆けつけたところ、転倒して骨折し、倒れていて、すぐ家族に連絡して救急車を呼んだ、というケースもありました。

東地区で課題だと感じているのはどんなところですか。

移動をどうするかで悩んでいる人は多いです。タクシーを呼ぶほどでもない。だけど押し車を押していくにはちょっと遠い。お子さん方も県外に出てしまい、すぐ近くに頼める人もいらっしゃらないという人がいます。

外出をしなくなると生活そのものも困りますし、人と人とのつながりもなくなってしまう。移動ができないというのはとても大きなことになってきます。

山間地域では交通弱者の「買い物難民」が問題になっていますが、東地区は平地で、スーパーなど商業施設はあります。買い物に困っている人は多いのでしょうか。

困っている人は多いです。かつては大利根ショッピングセンターにスーパーがあり、お米屋さんがあり、パン屋さんがありました。生活に必要なものを賄えていたものが、個人商店が少なくなり、大きなフレッセイ、ヤオコー、とりせんにいかないと買い物ができない。大利根町では「マロニエの会」という会ができ、買い物支援をしています。

また、今は縁側のおつきあいがないので、デイサービス以外で、気軽に遊びに行ける場所、おしゃべりができる場所、お茶飲みの場所があればいいと思います。

東地区は17の自治会がありますが、世帯数が少なく高齢者も少ない青葉町以外は地域のサロンができていて、皆さんが集まる場所があります。ただ、月に1回ほどで、それほど多くありません。

そこに目をつけたのが稲荷新田町です。自治会長が中心となって考え、必ず当番をつけて午前中開放し、いつでも寄れるようにしています。前橋市内であそこまでやっているところはないと思います。東地区には人的な資源がたくさんある。すごくありがたいです。

地域包括支援センターの役割や地域の課題を分かりやすく解説していただきました。次回は個別相談のほか、センターが現在力を入れる「地域づくり」について紹介します。

前橋市地域包括支援センター東 前橋市川曲町536(あじさい園内) ☎027-280-5590

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