地域の安全は自分たちで守ろう。前橋市大利根町の自治会と自主防災会は2月11日、地元公民館で防災訓練を行いました。住民約200人が参加し、講話や体験を通して防災意識を高めました。
現在2700人が暮らす大利根町では2013年に自主防災会が立ち上がって以来、毎年訓練を行っています。
大利根小が避難所に、レイアウト解説
最初に市危機管理室防災アドバイザー、小林行孝さんが講話。災害はいつ起こっても分からないとして、備えの大切さを伝えました。

市では昨年度、災害時に避難所となる68の小中学校について、運用やレイアウトを策定しており、大利根小について解説。寝泊りする体育館の仕切り方や風呂やトイレの位置、インフルエンザの流行に備えた個室の用意など、具体的に紹介しました。
小林さんは、大きな災害時には9.2%の人が避難所に来るというシュミレーションから大利根町では約250人が訪れるとの見通しも示しました。
車用のジャッキでがれき除去
訓練では震度5強の地震が発生したとして2階から避難。班ごとに分かれて、がれきの下敷きになった人の救出、家庭にある物を使った応急措置、起震車体験を行いました。

がれきの中からの救出訓練では、自分自身が怪我をしないよう注意した上で、車用のジャッキを用いて救助を実演しました。手で軽いがれきを除去した後、負傷者との隙間をつくるようにジャッキで木材を持ち上げました。

震度7の激震
起震車では、発生が予想されている東海地震を想定した震度7の揺れを体験。激しい揺れに「きゃー」と悲鳴を上げる女性もいました。揺れている時間は40秒間でしたが、参加者からは「ものすごく長く感じた」「立っていられない」といった感想が上がりました。

応急措置の訓練では、布を用いた三角巾の作り方を習いました。腕を骨折した場合に備え、雑誌を添え木代わりにして腕を吊るしました。炊き出しも行われ、温かい豚汁とおにぎりが振る舞われました。


「繰り返しが大切」
自主防災会長を務める福島昇自治会長は「毎年繰り返していくことで、いざという時に行動できる。話を聞くだけではなく、体験を通して防災意識を高めていきたい」と話していました。