【番外編】大迫力、異次元の戦い ラグビーW杯が面白い 熊谷でサモア対ロシアを観戦 

連日、各国の熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。9月24日夜、埼玉県・熊谷ラグビー場での初戦となるロシア対サモア戦を観戦してきました。試合はサモアが後半突き放し、34対9で勝利しましたが、日本戦から中3日と体力的に厳しいロシアも最後まで諦めず、2万2564人の観客が大きな声援を送りました。交通手段や会場の様子をリポートします。

2万2564人が来場したロシア対サモア戦

会場までは、熊谷駅から徒歩やタクシー、同駅や籠原駅からシャトルバスなど、いろいろありますが、今回は前橋から車で約1時間ほどかけて熊谷市・妻沼総合運動公園駐車場に行き、そこからシャトルバスで向かう無料の「パーク&ライド」システムを利用しました(要予約)。特設駐車場は広く約2500台のキャパがあり、悠々と駐車できました。

2500台が停められる妻沼総合運動公園の駐車場

ちょうど夕暮れ時。きれいな夕日が「決戦の日」を演出してくれているようで、気持ちが高まってきます。駐車台数に対して十分すぎるぐらいの数の仮設トイレが設置されていました。バスに乗る人は少なく、全く待つことなくシャトルバスに乗り込めました。

シャトルバスの乗り場

車内には10人ほどのロシア人サポーターがいて、国際試合であることを実感します。男性のみなさんは体格がいいのですが、小さな声でしゃべっているのが印象的。車窓の外に見える日本の住宅や商業施設はどんな風に、彼らの目に映っているのだろうと想像しながら車に揺られ、25分ほどで熊谷ラグビー場に到着しました。

ラグビー場近くに設けられたシャトルバスの降車場

降車場から徒歩で競技場に向かいます。ボランティアスタッフが元気よくハイタッチで出迎えてくれました。右手に見える大きなドームからは煌々とあかりが漏れてきます。

明るく輝くドーム

2回の手荷物検査

少し進むと、電光掲示で「もてなしエリア」の案内があり、唐揚げやラーメンといった飲食店ブース、祭りの山車が置かれ、たくさんの人でにぎわっていました。この手前で最初の手荷物検査がありました。

バッグや袋の中身を見せ、スムーズに通過。ボランティアスタッフが「競技場は大変混雑するため、食べ物はこちらで買っていってください。埼玉県のおいしいものを取り揃えています」と呼びかけていたので、唐揚げを購入しました。

ドームでは、埼玉県内の各市町村や商工団体が出展し、特産品やイベントをPRしていました。中に入ってみると、小川町の紙すきの実演、鴻巣市の特大花火の展示などが行われていました。ゆっくり見たかったのですが、試合開始1時間前だっため会場に急ぎます。

もてなしエリアに置かれた山車
広いドーム会場に設置された市町村ブース

競技場に近づくごとに人の密度が高くなっていきます。競技場前で2度目の手荷物検査がありました。当初、食べ物や飲み物は持ち込み禁止でしたが、大会組織委が方針を変更、食べ物は持ち込みが容認されました。飲み物については、投げ込まれる怖れがあるとしてペットボトルや缶は禁止ですが、水筒は持ち込むことができました。チケットの確認は係りの人がQRコードをピッと読むだけで簡単に終わり、待つことなく通過できました。

ほぼ満席のスタジアム

照明で昼間のように明るく照らされたスタジアムの中に入ると、ほぼ満席状態。日本以外のカードで、しかも世界ランキング上位国の対戦ではないのにもかかわらず、ここまで人が入るとはすごい。日本人が多い印象ですが、宇宙服姿のロシア人サポーター、陽気なサモア人サポーターがいて、とてもいい雰囲気。目の前の席には、普段はラグビーを見ていないと思われる日本人のおばあちゃん2人が観戦に来ていました。

試合前のサモア選手の練習

試合直前、特大スクリーンに選手人一人を映して紹介。サンウルブズでも活躍したサモア代表のトゥシ・ピシ選手が映し出されると、より大きな拍手が起こりました。和太鼓の演奏に乗って、選手が入場してくると、会場の熱気が一気に高まりました。

選手入場シーンの動画

国歌斉唱では、地元中学生が両国の国歌を合唱しました。全来場者に国歌の歌詞が記された紙が配布されました。カタカナで読めますが、メロディーが分からないため歌うことはできませんでしたが、良い取り組み。下の写真が歌詞を載せた紙です。

サモア国歌の歌詞(右側)
ロシア国歌の歌詞(同)

決死のタックル、W杯のすごみ

キックオフ直前、サモア伝統の戦いの舞い「シピタウ」が披露され、その大迫力に観客のボルテージは上がっていきます。試合は激しい肉弾戦となり、前半は一進一退の攻防。特にサモア選手のタックルは凄まじく、見ている方が怖くなるほど。日本戦でも活躍したロシア主将のユーリ・クシュナレフ選手へのタックルが頭部にヒットし、サモア2選手がシンビン(10分間退場)になりました。ロシアは前半6対5でリードして折り返したものの、相手が2人少ない好機を生かしきれず、ノートライに終わりました。日本戦の疲れからか明らかに足が止まったロシアに対し、サモアが後半だけで5トライを奪い、ボーナスポイントを取って快勝しました。

得点差はつきましたが、ロシアも最後まで果敢に攻め、ゴールライン寸前まで迫り、会場に「ロシア」コールが響きました。

選手たちはあれほど激しくぶつかり合い、時に胸ぐらを掴み合いエキサイティングしても、試合後は一人一人握手を交わしていました。そして、ロシアの選手たちがスタンドに手を振りながら、ゆっくり会場を1周。ここでも「ロシア」コールが起こりました。

続いて、サモアの選手たちが場内を巡ると、今度は「サモア」コール。スーパーラグビーの王者「クルセイダーズ」(ニュージーランド)で活躍するマイケル・アラアラトア選手は特に人気が高く、スマホを受け取り、長い時間、写真撮影に応じていました。

課題の飲み物や食べ物?

開幕当初、食べ物や飲み物が競技場ですぐ売り切れてしまい、批判が殺到したことが報道されました。この日の試合では食べ物の持ち込みが可能になったため、食べ物の騒ぎは見られませんでした。ビールは売店や売り子による販売が行われ、供給が滞ることはなかったようです。ただ、スタジアム内の売店では多くのソフトドリンク類が売り切れていたようでした。

この日の会場には、日本人が大半を占め、ビール大量に飲む外国人が少なかったことに加え、都内での試合に比べて車を運転する人の割合が高く、アルコールを飲まない人が一定数いたと推測できます。

また、長蛇の列ができた公式グッズの売店は増やしてくれるとありがたいと感じました。

テストマッチ超えるW杯

とはいうものの、これまで日本国内でテストマッチは見たことがありましたが、W杯は別物でした。会場の熱気もそうですが、選手たちの体の張り方が違う。文字通り、命懸けでタックルや密集戦をしているように見えました。4年に1度の大舞台で国を背負ってプレーすることは、通常のテストマッチをしのぐ異次元の領域で戦うことだと感じました。

帰りのシャトルバス乗り場

会場では多くのボランティアスタッフとハイタッチできました。ホスピタリティあふれる丁寧な対応に感謝です。「4年に一度じゃない。一生に一度だ」のキャッチコピーはうそじゃない。最高に楽しい思い出に残る一日になりました。熊谷の他の試合のチケットがリセールで買えるならチャレンジしてみようと思います。