市議会

「ほぼ全て当日保護」 GPS貸出で行方不明高齢者 ①前橋市議会・山田秀明氏

身近な問題を議論している自治体議会ですが、関心を持っている人は少ないのではないでしょうか。

前橋市では現在定例会が開かれており、インターネット中継では生配信や録画を見ることができます。

筆者の独断と偏見で面白かったり、重要だと思ったりした質問の質疑応答を1人ずつピックアップ。

質問者の順番通りに紹介していきますので、初回は前橋高志会の山田秀明氏。衆議院議員秘書を務めた後、今年2月の市議選で初当選した35歳の若手議員です。

質問事項は次の通り。

1 コロナ禍の自主財源確保について
2 応急手当普及活動について
3 ICTを活用した認知症対策について
4 公園の利活用について
5 地域の諸課題について

「公園の利活用」の質問も興味深かったのですが、今回は「ICTを活用した認知症対策」のやりとりに注目してみました。

高齢者の1割が認知症、令和22年には15,000人超

【山田氏】

ICTを活用した認知症対策についてお伺いをします。近年の複雑化する社会問題や犯罪等を踏まえ、また、少子高齢化社会の安心と安全確保を担保する上でも、ICTを活用することが重要と考えます。65歳以上の高齢者の4人に1人が認知症の人、また、その予備軍とも言われております。認知症は発症してから年齢を重ねるにつれて重症化する傾向があり、事前に住み慣れた地域で医療介護、住まい、日常生活支援サービスを総合的に提供し、また、疾患者の生活を保持し、早期の対処が必要と言われております。今後、高齢化に伴う認知症増加への取り組みが課題となりますが、認知症高齢者は徘徊などの症状があり、家族の介護負担もとても大きいものと思われます。本市ではICTを活用した認知症対策として、GPS端末貸し出し事業を行っているようでありますが、その利用状況についてお伺いをいたします。

【福祉部長】
本市の認知症高齢者は令和3年5月末時点で10,683人となっており、高齢者の占める割合は約11%です。この割合のまま認知症高齢者が増加を続けると、令和7年には12,000人、令和22年には15,000人を超える人が認知症になると見込まれています。本市の認知症等による行方不明者高齢者への対策ですが、GPS端末より位置情報を提供できるシステムを活用しておりますGPS端末貸し出し事業は行方不明のある恐れのある在宅高齢者等がGPS端末を携帯することで行方不明時に当人の位置情報の提供を受け、早期発見、保護につなげる支援を行なっております。

令和2年度からは若年性認知症等に対して対応するため、一部対象者の拡大を行いました。端末利用者は令和2年度末時点で80人となっており、年々増加傾向にあります。位置情報提供を行った件数は令和2年度は年470件であり、端末貸出者の増加に伴い、位置情報提供件数も増加しております。行方不明になった高齢者等をGPSを利用して捜索した場合、ほぼ全てのケースで当日中に発見に至っており、GPS貸し出し事業は行方不明等の捜索手段として有効であると考えております。

GPS端末を携行しない外出課題

【山田氏】

現状については分かりました。高齢者の徘徊をめぐっては行方不明中に交通事故に遭われ、監督不十分として家族が賠償責任を問われるという裁判も起こっております。いったん行方不明者が出てしまうと、多くの警察官や警察犬が出動することになり、警察も対応に苦慮しているとの記事を目にしました。GPS端末貸し出し事業については24時間365日コールセンターが行方不明の捜索に対応してくるとのことですが、事業を進める中での課題についてお伺いいたします。

【福祉部長】
GPS端末の位置情報を利用するためには、高齢者等本人が端末を携行することが必要となってきます。端末を埋め込むことができる専用シューズの利用やバッグなどに入れて持ち歩く方法が考えられますが、認知症状がある高齢者が携行せずに外出することもあり、その携行方法が課題となっております。GPS端末の貸し出し契約時に本人・家族の状況を確認しながら、より的確に携行できる方法を相談・提案しながら、今後も利用を進めてまいります。

【山田氏】

課題については分かりました。今後どのように進めていくのか伺います。

【福祉部長】
今後の事業展開についてでございますが、GPS端末貸し出し事業が行方不明時の早期発見、保護に対して一定の効果は上げているものと現在考えておりますが、利用者や家族に対する利用実態を把握しきれていない部分がございます。今年度より介護者に対し、アンケートを実施し、GPS端末の有効な携行方法や介護者の負担軽減にどの程度つながったなどを調査することで、より効果のある取り組みにしていきたいと考えております。

【山田氏】

ICTを活用した認知症対策ではありますが、多くの自治体が取り組んでおり、最近では桐生市が二次元コード付きシールを杖や衣類に貼り付け、認知症患者が行方不明になったときに、発見者に読み取ってもらうということで、家族にも通知が届くよう進めていると新聞で取り上げられておりました。現在の前橋市の取り組みはより正確な位置情報を知れ、発見がしやすく、また、個人情報を守れる状況にあると理解しました。

しかしながら、認知症患者が行方不明になった際、家族がコールセンターに連絡した上で捜査が行われ、メール等で地図による位置情報を知れることができるとのことですが、現場から移動する可能性も考えられます。GPS利用者の親族等が携帯電話やタブレット等の端末から地図のソフトを用いて、捜索者が確認できるようにしていただければより活用しやすくなると思うので、要望させていただきます。

 

 

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