2018年9月18日に公表された「基準地価」。全国平均で27年ぶりに上昇に転じたことが大きく報じられた一方で、取り残された地方との格差は広がっているという指摘があります。
県内全域は平均マイナス0.8%と26年連続の下落となりました。ただ、前橋、高崎、伊勢崎、太田、みどりの5市51地点で上昇。前橋東地区は4カ所ある調査地点のうち、2地点で地価が上昇しました。みなさんのご近所はどうだったでしょうか。どこで地価が上がったのか、下がった地点の見通しはどうか、詳しく見ていきたいと思います。
箱田町が前年上回る
東地区の調査対象4地点の場所:1平方mあたりの地価:前年比増減率は次の通りです(⬆︎はプラス、⬇︎はマイナス)。
①箱田町1158-5 : 5万4000円 : 0.9%⬆︎
②上新田町1172-1 : 5万7400円 : 0.2%⬇︎
③箱田町281-6外 : 6万4500円 : 1.1%⬆︎
④大利根町2-43-3 : 5万9100円 : 0.3%⬇︎
※③は箱田町281付近
①箱田町1158-5 : 5万4000円 : 0.9%⬆︎
箱田町南東部。大利根団地にほど近い住宅地です。2013年に初めて対象地点になった時の基準地価は、1平方mあたり5万3840円でした。その後、微減が続いて5万2900円(15〜16年)と底をつき、昨年は5万3500円と初めて上昇に転じました。前年地価を上回るのは2年連続で、今年の地価は6年間の最高値となっています。
②上新田町1172-1 : 5万7400円 : 0.2%⬇︎
上新田町南東部。県道前橋長瀞線東側の比較的広い道路に面した住宅地です。新田小の校門まで歩いてすぐの場所にあります。10年前(08年)の地価は6万7100円。今に至るまでずっと下落が続いていますが、下げ幅は年々小さくなり、16年以降は2年連続で100円にとどまっています。下げ止まりの気配が出てきています。
③箱田町281-6外 : 6万4500円 : 1.1%⬆︎
箱田町北西部。近くに公園のある住宅地です。10年前の地価は7万3200円。その年、前年より地価が上がった東地区唯一の調査地点でした。その後ほかの場所と同様、下がり続けていましたが、14年から4年連続で6万3800円と横ばいが続き、今年ついに再び上昇に転じました。
④大利根町2-43-3 : 5万9100円 : 0.3%⬇︎
大利根町南東部。県道前橋長瀞線の大利根町交差点に近い住宅地です。10年前の地価は7万円ちょうどでした。一貫して下落が続いているものの、最近は下げ幅が落ち着いてきました。08年から13年(6万1000円)の5年間の下げ幅は9千円でしたが、13年から今年の5年間の下げ幅はわずか1900円。②と同じく、もうすぐ下げ止まる期待が持てそうです。
商業地、高崎東口の伸び顕著
県内で最も上昇率が高かった地点は、住宅地では高崎市東町241-7外と太田市南矢島町56-1甲(ともに3.0%⬆︎)、商業地では県コンベンション施設の建設が近くで進められている高崎駅東口の高崎市岩押町19-3(⬆︎5.8%)でした。
ちなみに、「基準地価」は、毎年7月1日時点の土地の価格を都道府県が調べ、9月に発表しているものです。似た言葉の「公示地価」や「路線価」と同じく、土地取引の目安に使われています。基準地価は、実勢価格の7〜8割程度と言われています。