アナログ的な取り組みが多い自治会活動のDX化を進めるため、前橋市は2022年度、実証実験として3地区の自治会にタブレット端末を配布します。
市は3月10日に開かれた市議会定例会で山田秀明議員の質問に答え、対象は東、下川淵、大胡の3地区と明らかにしました。
ITリテラシーに差、有効活用へサポート
モデル地区を選んだ理由について、市は「市民サービスセンターの人員態勢と、地区連合会の自治会数の規模などを考慮した」と説明しています。
自治会の活動は事務作業や広報紙の配布、会議など、アナログ的な〝業務〟が中心。地域の高齢化が進む中、負担も大きく、役員のなり手不足が顕在化しています。デジタル化を進めることで、負担軽減が期待されています。
一方で、自治会にタブレットを配布しても役員の多くは高齢者で、有効に活用できるのか懸念も。こうした指摘に、市は「基本的な操作方法や情報リテラシーなどの研修会の開催を予定している。市民サービスセンターや支所の地域振興課の職員が適宜サポートする」と答えました。
2023年度以降に全自治会に拡大
事業費として2022年度一般会計当初予算に310万万円が計上されました。
3自治会のほかに、前橋市自治会連合会の会長や副会長らにも配布します。
市は、2022年度を実証実験と位置づけており、結果を検証した上で、2023年度以降に市内全自治会に配布する方針です。「自治会事務の負担が軽減されるとともに、情報共有による交流が生まれ、自治会活動におけるICT化推進のきっかけになることを期待している」としています。