県都のリーダーを決める前橋市長選(2月2日告示・9日投開票)を前に、新前橋商工会(福田俊昭会長)は1月15日夜、地元の県社会福祉総合センターで公開討論会を開きました。候補予定者同士の質問を認めたり、自由な議論の時間を設けたりと、他の討論会ではあまり見られない自由度の高い方法を採用。立候補を表明している現職新人の5人全員が登壇し、教育や子育て、福祉のほか、中心市街地以外の商工振興、新前橋駅周辺整備など地域課題について熱い論戦が繰り広げられました。(発言の詳報は近日掲載)
一地域の商工団体がこうした公開討論会を開くのは珍しく、冒頭あいさつに立った福田会長は、仲間から候補者の考えを聞いてみたいとの声が上がり、企画したと経緯を説明。5人の参加に謝意を示すとともに、「新前橋は本気です」と地域振興にかける思いを訴えました。
何回でも発言OK
登壇したのは、現職の山本龍氏、県議の岩上憲司氏、元衆院議員の佐田玄一郎氏、共産党前橋地区副委員長の店橋世津子氏、元前橋市議の中島資浩氏との5人。来場者約300人(主催者発表)を前に、学生時代に打ち込んできたスポーツや前職の経験など自己紹介した後、4年間で最も実現したい重点政策を語りかけました。
制限時間を定めた設問もありましたが、最も盛り上がったのはクロストークの時間。中心市街地以外の商工振興や、新前橋駅前駐車場問題などについて、順番を設けず制限時間内なら何回でも発言できる形にして、政策への批判、反論で火花を散らしました。
「面白かった」「他の地域でもやってほしい」
来場者に感想を聞いてみると、「2時間は長いかなと思ったけれど、面白くてあっという間だった」「他の地域でもやるべき」「立候補予定者の人柄が伝わった」と、肯定的な声が多く上がっていました。
一般的に公開討論会は、登壇者同士の話が交わることなく進行するケースが多いです。公平性を最優先するあまり、見ている側からすると、つまらないものになりがち。自由な議論は面白く、もっと聞きたいという気持ちを起こさせます。今回は会場が温まっていくうちに途中、笑いが起きた場面もありました。全国的な低投票率が問題となるなか、政治を面白く見せる工夫も必要になってくるのではないでしょうか。
リスクを引き受けた上で、今回のような自由度の高い方法は、地方の一地域から公開討論会のあり方に一石を投じたと言っていいかもしれません。福田会長は「他の地域でも公開討論会を開くようになってほしい」と広がりを期待しています。
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