新前橋駅から5分ほど歩いた静かな住宅街に、赤烏神社(前橋市古市町)という地域の鎮守さまがあります。
歴史のある神社で、読み方は「あかがらすじんじゃ」。地元古市町の人たちが奉納演奏する「赤烏太鼓」が知られています。
場所は新前橋駅東口を出て、ホテルラシーネ新前橋の手前を左折し、人気やきとり店「ねぎぼうず」を左に見ながら、少し進み、信号機のない十字路を右折するしてすぐのところ。
近くには古市町赤烏公園もあります。
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神社に行ってみると、たまたまいた近所の人にお話を聞くことができました。
ご利益を求めて遠方からも多くの人が訪れ、特に初詣は参拝客で賑わうそうです。
境内はさほど広くありませんが、区画整理される以前はもっと広かったといいます。
丁寧に教えていただき、「ご利益があるから、よく拝んでいってくださいね」と言わたので、余計に心を込めて手を合わせました。
見事な桜、二つの鳥居
境内を見てみると、狛犬は迫力ある顔、体型をしています。
あまり知られていませんが、隠れた桜の名所でもあります。
境内には立派な桜の木があり、見事な花を咲かせます。
ちなみに昨年の様子はこんな感じでした。
建物自体は古いのですが、めちゃくちゃ古いという感じはしません。
敷地に「赤烏神社整備事業寄進者芳名碑」があり、この裏には「昭和五十六年七月吉日建立」とあったので、このころ再整備されたのかもしれません。
ちょっと不思議に思ったのが、鳥居が二つあること。赤烏神社の隣にやや小さな社殿がありました。
向かって左側の鳥居は読みづらいのですが、「正一位稲荷大明神」と書いてありました。
いわゆる稲荷神社ですね。
歴史について、ちょっと調べてみようと思い、市立図書館東分館に行って「東村々誌」を借りてきました。
国府があった時代に建てられた?
以下、赤烏神社の引用になります。
この神社は今の前橋市大友町付近にその昔、国府政庁が在った時代に建てられたものではないかと言う説もある(近藤義雄氏説)。この説によると、この付近が当時の南門附近にあたるらしいと言う所から、栄えた神社と言えそうだと言う訳である。
つまり、国府の領内南端に位置し、その時代に建てられたのではないかという指摘です。
創建の年代は分かっていませんが、平安末期に記されたという上野国の神社を一覧にした「上野国神名帳」に載っていることから、かなり歴史ある神社ということがわかります。
総社神社で奉納太鼓
冒頭に書いたように、「赤烏太鼓」という地元では名前が通った伝統芸能があります。
郷土の「あずまかるた」には「夏の夜にひびく音色は赤烏太鼓」とうたわれています。
いつも勉強になる、かるたの読み札の裏に書かれた解説によると、赤烏太鼓は総社神社(前橋市元総社町)の奉納太鼓として始まりました。
今も地元保存会によって受け継がれています。
境内の掲示板には、3月15日に総社神社の例大祭(春祭り)で奉納太鼓を披露することを知らせるチラシが貼ってありました。
まとめ
赤烏神社は、風格ある佇まいが印象的でした。
住宅街の中にあって、歴史の風を感じさせてくれる素敵な場所です。
ちょっと時間がゆったりと流れているような気になりました。
新型コロナウィルスの国内感染が広がる中、あまり人出がなく屋外にある身近な歴史遺産に触れるのもいいのではないでしょうか。
地元の人はもちろん、駅からも近いので、そうでない人も散策に出かけてみては。
桜の時期がおすすめです。
赤烏神社