前橋学センター長の手島仁さんへのインタビュー連載最終回は、前橋東地区の名物や有名人についてのお話です。
確かに名所は少ないかもしれませんが、どこの村にもそんなに名所はない。
平均的な村の姿ですよね。
ただ、東村には名物がありました。お酒です。
新前橋駅東側、今の育英メディカル専門学校の辺りに造り酒屋がありました。
長野県から来た人が起こした造り酒屋で、「駒正宗」(製造者・町田傳次郎)という銘酒を造っていました。
上毛新聞社が上越線全線開通を控えた昭和6(1931)年、「上毛十二名産」を公募しましたが、この酒は票を集め、表彰を受けます。
文筆家の佐藤垢石(さとう・こうせき 1888~1956年)がいます。
もともと報知新聞記者でしたが、退職後、文筆活動に専念し、「たぬき汁」を代表作とする随筆家として知られています。
名文家で、上毛新聞にも寄稿しています。
一方で、釣り好きとしても有名でした。
釣りばかりして、地元では少し変わった人と受け止められていたかもしれません。
80代ぐらいの人に聞けば、佐藤垢石のことを覚えている人もいると思います。
上毛十二名産のことが気になったので調べてきました。
順位をみると、1位は下仁田町の上州蒟蒻で26万1892票、2位は伊勢崎西瓜24万3702票、3位は原島屋本店(前橋市)のすまんじゅう20万9958票でした。
日本酒では、4位に入った土田酒造店(沼田)の「誉国光」が19万6669票を獲得して最上位。
6位は高井本店(藤岡)の「巌」18万3810票、東村の「駒正宗」は4万4958票で19位(日本酒3位)に入り、表彰を受けています。
地域の歴史を知るのは、あらためて楽しいと思わせてくれる取材でした。
手島さんに、またお話を聞きに行きたいと思います!