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「食卓に愛を」 おうちで食べる生パスタ&ソース 新前橋駅前のコナリエ 中村実紀さん㊤

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5年前、一人の女性が新前橋駅前に店を出しました。

愛のある食事をおうちで食べてほしい」。この思いを形にした、生パスタ製造&販売「コナリエ」(前橋市新前橋町)。

会社勤めをやめ、異業種に飛び込んだ中村実紀さんが起業しました。

中村さんは、県内農家に直接会って仕入れた農産物を主な素材にパスタの麺とソースを作っています。

小麦の味が生きるパスタは客をつかみ、リピーターが多いのも特長。

製品は持ち帰り、家で調理し食べてもらう業態のため、開店当初はレストランだと思って来店した人が店内で食べられないことにがっかりして帰ることもあったそうです。

 

会社を辞めて起業した中村さん

 

しかし、そこには「おうちごはん」を大切にするブレない思いがありました。

どうしてお店を始めてみようと思ったのでしょうか。

 

この店は「おうちごはん」をコンセプトにしています。

それは、わたし自身の経験から、簡単でありながら、愛のある食事を届けたいという思いがありました。

食事を作ってあげる、作ってもらうの間にある「愛」をお手伝いしたくて始めました。

わたしは20年間、母を在宅で介護してきました。

起業する前は会社で働きながら、母の毎食の食事を作っていました。

仕事は忙しく、帰りも遅くなり、そこから食事の準備をして、食べさせ、寝かせる。

そういうことがつらくなり、だんだんとスーパーのお総菜やコンビニ弁当で済ませるようになっていきました。

すると、自分も体調が悪くなり、何しろ母がそれを電子レンジでチンして食べているのを見ることに、罪悪感がありました。

「私は何してるんだろう」と思いました。

だから、愛のある料理を少しでも簡単にできたらいい。

そういう罪悪感をぬぐえるような、お手伝いがしたいと考えるようになりました。

じゃあ、それはどういうことでお手伝いができるのだろうと思った時に出会ったのが生パスタです。

 

どんな出会いだったのでしょうか。

 

本当にたまたまなのですが、イタリアに料理留学をした同級生が高崎市でイタリア料理教室を開いていて、お皿洗いに手伝いに行った時、その日が生パスタの回でした。

わたしの印象では、生パスタは、いまいち好みではない。

乾麺の方がいいなあという感じだったのですが、生パスタを自分で作り、ゆでて食べた時、さっきまで粉だったのに、こんなにおいしくなっている、ということに感動しました。

それが出会いでした。

パスタなら、お肉でも、お魚でも、野菜でも入れられて、バランスのいい食事が取れる。洗い物も少ない。

しかも、群馬は小麦文化です。

うどんを食べてきた習慣もあって、麺類を家で食べることが多い。

そういうところから、はっとなって。生パスタというアイテムを使って、おうちごはんを応援したい、と思うようになりました。

 

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パスタの麺やソースには県内の農産物がふんだんに入っています。できるだけ生産者と直接会い、「顔の分かる野菜」を使っています。

 

起業前、会社に勤めていましたが、全くの異業種です。パスタ作りはどのようにして身につけたのですか。

 

どこかで修行したということはありません。

何度も何度も試作を繰り返し、学んでいきました。

イタリア料理教室の同級生にお世話になり、試作品を食べてもらい、作り上げました。

麺を製造するマシンを選ぶのもいろいろな種類があります。

展示会に行き、話を聞いて、知識を増やしていき、イタリア製のマシンを購入しました。

それまで製造業を経験したことがなかったので、いろんな方のところに行き、容器の選び方からパックの仕方まで、教えてもらいました。

 

お店をオープンしてからは、順調だったのですか。

 

レストランのように出来上がったものを食べられる場所という風に、みなさん思ってくださっているので、「おうちでゆでて仕上げてもらうんですよ」と、もう何千回言ったか分かりません(笑)。

店で料理を出したり、お弁当として売ったりするのが分かりやすいのでしょうが、家での食事には、パスタをゆでてあげる「愛」、ゆでてもらった「愛」があります。

家での食卓を核にしているので、この思いは、ゆるいでいません。

 

次回は、地元の農産物にこだわるパスタ作りについてのお話です。

 

 

コナリエ 前橋市新前橋町25-18    不定休 027-212-2276

 

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