平成最悪の水害となった西日本豪雨では、浸水や土砂災害で甚大な被害が出ました。
なかでも岡山県倉敷市真備町地区では5000棟近い建物が浸水したほか、死者は50人を超え、その様子は新聞やテレビのニュースで繰り返し報じられました。
今回の浸水被害では、同地区の被害区域が、自治体が事前に公表していた「洪水・土砂災害ハザードマップ」の想定区域とほぼ一致していたことも注目を集めています。
にわかに世間の関心が高まったハザードマップ。実は、ここ東地区も無関係でないとご存知でしょうか?
前橋市が公表している「市 洪水・土砂災害ハザードマップ」は、「およそ1000年に1度の降雨」に備えるとした今年4月の全面改定によって、今までは被害が想定されていなかった東地区の広い範囲が、「建物倒壊」や「浸水」の想定区域として追加されています。
最新のマップは市ホームページで公開されていますので、自分の住む地区にどんなリスクがあるのか、ぜひとも確認しておきましょう。
では具体的にどんな危険が想定されるのか、実際に見ていきたいと思います。
「前橋市 洪水・土砂災害ハザードマップ」はダウンロードすることができます。
マップを開いてまず目につくのは、利根川沿いの小相木、朝日ケ丘、上新田、下新田の一部でしょう。
河岸侵食や氾濫流による「家屋倒壊」の危険性を示す紫色の斜線が塗られ、利根川が氾濫しそうな場合には「立ち退き避難」が必要となります。
住宅や雷電神社、大利根緑地公園のほか、前橋育英高校の敷地の一部が含まれます。
また、50cm〜3mの深さの水による「床上浸水」や「1階の水没」、50cm未満の「床下浸水」などを含めると、被害の想定区域は光が丘、大利根、稲荷新田、後家などまで広がります。
50cm〜3mの浸水想定区域内には、大利根小学校や新田小学校があります。
西日本豪雨では、自宅がハザードマップの浸水想定区域だったことを「知らなかった」と答えた被災者も少なくなかったと報じられています。
東地区に住む私たちも、災害を自分たちのこととして考え、地域で、家族で、日頃から対策を話し合っておくことが必要でしょう。
ちなみに、現在のハザードマップが想定している川の氾濫は、東地区では利根川だけです。
今年5月に県が公表した「県水害リスク想定マップ」では、滝川や染谷川などの氾濫を新たにシミュレーションした結果、浸水想定区域がさらに広がりました。
これは今後、前橋市のハザードマップに反映される可能性があります。
今現在、自宅などが被害想定区域でないという方も、今後の情報の更新に注意しましょう。
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