前橋東地区のご当地「あずまかるた」。地元の人たちの手により2011年3月に発行されました。
札によまれた名所・史跡を紹介するシリーズを随時掲載します。題して「あずまかるたを歩く」。初回は「ま」(学び舎の礎築いた箱田学校)。学校が置かれた天台宗常円寺(前橋市箱田町)を訪ねました。
明治7年11月9日開校
お盆の13日朝、常円寺前の墓地には、花を持ち、お墓参りをする人たちの姿が目立ちました。墓地を通り抜けると、白を基調とした本堂があります。明治7年11月9日、この地に箱田学校は開校しました。
東小百年誌によると、箱田のほか、江田、古市、小相木、上新田、下新田など各村が連携し、組合立で開設されました。これが今の前橋東小のルーツです。
明治5年に学制が布告され、県内でも各地に学校が開校されました。ただ、寺院や神社、民家を間借りすることが多かったようです。明治8年までに設立された県内小学校の66%は、箱田学校と同じように寺院借用だったとされます(群馬県歴史第四巻)。
開校当初の児童数は男子21人、女子6人の計27人でした。増加の一途をたどり、明治14年には149人に。手狭となり、翌年には上新田の福徳寺に「殿田学校」ができます。上新田、下新田、小相木の子どもたちは、新設校に移りました。
東小は昭和25年に現在地
学校の場所は変遷をたどります。明治18年には旧東公民館(現在の東小西)の敷地に校舎が完成し、殿田学校の3村と、日高学校の稲荷新田、川曲の2村が加わり、10村の子どもたちが通う箱田学校となります。
名称変更を経ながら、昭和25年に現在地に新校舎が建てられました。
常円寺の入口には「箱田学校跡」と刻まれた石碑があります。ここからスタートした東小は今年創立144年を迎えました。
帰り道、学校の前を通ると、夏休みの校舎はとても静か。2学期、元気に登校する子どもたちを待っているようでした。
常円寺