国土交通省が3月23日に発表した公示地価(2021年1月1日)は、新型コロナウイルスの影響が反映されました。
群馬県は全用途の平均変動率はマイナス1.0%となり、前年のマイナス0.4%から下落率が拡大。1993年以来、29年連続で下落となりました。
前橋東地区の5地点をみてみると、2018年以来3年連続で上昇を続けてきた新前橋の調査地点が横ばいとなり、上昇が止まりました。
ただ、新型コロナに伴う外出自粛や駅乗降客の減少などを踏まえれば、地価を維持したことは新前橋駅周辺商業地の需要の底堅さも見て取れます。
一方、下新田町や川曲町の住宅地、大利根町と小相木町の商業地点はマイナスとなりました。
下の表は2020年と2021年の地価(1平方メートル、単位千円)と変動率になります。
地点 | 2021年 | 2020年 | 変動率 | 用途 |
下新田町字町下570-15 | 47.5 | 47.6 | ▲0.2% | 住宅地 |
川曲町字諏訪巡593-5 | 51.4 | 51.5 | ▲0.2% | 住宅地 |
新前橋町17-34外 | 72.4 | 72.4 | 0.0 | 商業地 |
大利根町2-31-23 | 59.1 | 59.6 | ▲0.8 | 商業地 |
小相木町字村西580-1外 | 65.5 | 65.6 | ▲0.2 | 商業地 |
みなかみ町の調査地点が県内最大の下落率
群県内全体では、観光地が特にコロナの打撃を受けました。国内需要、インバウンド需要を取り込んできたみなかみ町湯原はマイナス4.3%で、県内最大の下落率となりました。
前橋市の千代田町もマイナス3.3%で落ち込みが目立ちました。
全国に目を転じても、全用途平均が6年ぶりに下落。テレワークの浸透で都市圏からの移住の受け皿となっている長野県軽井沢町では10%上昇した地点がありましたが、群馬県内では地価を引き上げるほど、移住が進んでいない状況です。
高崎の駅前地価は北関東で高水準
県内で最も高かった商業地は、高崎市八島町の50万円(1平方メートル)でした。北関東で比べてみると、栃木県は宇都宮市池上町や駅前通りの31万9000円、茨城県は水戸市宮町の26万4000円が最高でした。埼玉県さいたま市の207万円(大宮区仲町)には及びませんが、高崎駅前の地価は周辺地方都市と比較してもかなり高い水準にあります。
今後の地価動向はコロナ禍がどうなっていくかに左右されます。感染対策やワクチン接種が進み、一刻も早い収束を願うばかりです。