在宅医療を支えるため、24時間365日対応する「みんなのかかりつけ訪問看護ステーションあずま」(神戸宣輝所長)が4月1日、前橋市箱田町にオープンしました。
東地区を対象エリア(一部・高崎市東部)として、土日祝日も定期訪問。医療的ケアとともに、一人一人の「生きる希望、喜び」に寄り添ったケアを提供していく考えです。
北関東初の事業所
「みんなのかかりつけ訪問看護ステーション」は、株式会社デザインケア(名古屋市、2014年11月設立)が運営し、全国に16事業所を展開しています。あずまは北関東初の開設となりました。
神戸所長は富岡市出身。下仁田厚生病院で働きながら看護学校を卒業し、7年間勤めた後、前橋市東地区に移住し、地元の済生会前橋病院に10年間勤務しました。
看護師としてキャリアを積む中で、多くの患者が家で最期を迎えたいのに、それがかなえられる人は少ない状況を目の当たりにしてきました。自身の関心は見取り医療や生命倫理に向かうようになりました。
葛藤を抱くなかで出会ったのが、デザインケアの藤野泰平社長。「病気に正月も休みもない」として、みんなのかかりつけ訪問看護ステーションは平日以外に土日祝日も定期訪問を特徴としています。医療ケアとともに、利用者の幸せを追求する藤野社長の考えに共鳴しました。
例えば、利用者の希望をかなえたり、喜んでもらったりするために「ハッピープロジェクト」と呼ばれる自由裁量の予算がスタッフには与えられています。コンサートに行きたいと望めば、予算を使いながらスタッフが知恵を絞って実現していきます。
患者の「生きる喜び」を実現するために、組織として「真心とアイデアがあふれるケア」を提供する仕組みづくりに取り組んできました。
神戸さんは「人生のターミナル期(終末期)を豊かにする事ができれば、どんな人生を歩んできたとしても、人生の彩りを豊かにする事ができるると思っています。そのための伴奏者になりたい」と語ります。
その志にひかれ、日高病院や榛名荘病院に勤務し、看護師資格のほかに介護福祉士などの資格を持つ井野口秀実さん、神戸さんと同じ済生会前橋病院で看護師として働いていた石北くるみさんがスタッフとして加わりました。
「あずま」という地名に込めた思い
訪問看護の拠点は、前橋東地区の箱田町に設けました。狭い道路が多いため、電動アシスト付き自転車を購入し、フットワークよく地域を回れるようにしました。また、事業所名に「あずま」を加えたのは地元に対する強い思いがありました。神戸さんは「東の方位は太陽が昇る方位。東地区から暖かいケアを提供して、地域に貢献したい」と力を込めます。
今後は地域の医師やケアマネジャーと連携しながら、ネットワークを深めていく考えです。(S)
みんなのかかりつけ訪問看護ステーション前橋あずま
〒371-0837 群馬県前橋市箱田町1215番地17 TOWN PALACE A3
TEL 027-289-0084
FAX 050-3538-1783
対応エリア 前橋市東地区、高崎市東部