JR新前橋駅東口に、ウオーキングコースを載せた案内板が設置されています。古代から近代までの歴史遺産が数多く残る総社・元総社地区の「歴史散歩道」のモデルコースを紹介するもので、前橋市教委が取り付けました。
駅前という立地にありながら、案内板は老朽化して色あせ、見づらくなっており、あまり利用されていません。内容はいいだけに、もっと有効活用できないものでしょうか。
9キロと10キロ、三つのコース設定
案内板は新前橋東口の階段を南側に降りた、すぐ正面にあります。駅を出発点に、総社・元総社地区などを巡る古代ロマンコース(9キロ)と石造物コース(10キロ)、市街地コース(10キロ)の三つのモデルコースを紹介しています。
- 古代ロマンコース 新前橋駅⇒総社神社⇒宮鍋様⇒国分寺跡⇒山王廃寺⇒光巌寺⇒二子山古墳⇒群馬総社駅
- 石造物コース 新前橋駅⇒総社神社⇒宮鍋様⇒化粧薬師⇒山王廃寺⇒丁間稲荷神社⇒大友神社⇒王山古墳⇒林倉寺⇒前橋ステーション跡⇒新前橋駅
- 市街地コース 新前橋駅⇒総社神社⇒宮鍋様⇒化粧薬師⇒丁間稲荷神社⇒王山古墳⇒臨江閣⇒前橋城址⇒龍海院⇒前橋駅
このモデルコースは、市教委が進めた「総社・元総社歴史散歩道」整備事業の一環として設けられました。1995年、旧本間酒店(前橋市総社町総社)に開設された旧総社資料館は同事業の一つになります(現在の総社歴史資料館は2016年に移転・開設しました)。新前橋駅前の案内板も四半世紀前に建てられたものとみられます。
マップは冊子「総社・元総社 歴史とロマンの散歩道」(市教委)に載っており、全国遺跡報告総覧のホームページからダウンロードすることができます。
時代に合わせて再発信
新前橋駅前にある案内板は目立たず、見ている人もあまりいないようですが、設置時よりも人々の健康意識は高まっているのではないでしょうか。
ウオーキングのほか、ジョギングやサイクリングも広く浸透しています。それぞれの参考タイムを掲載したり、スマホやQRコードを活用しコースの見所を紹介したりと、今の時代にあった情報発信の仕方はありそうです。
駅を出発点にしているコースなので、遠方からも人が来てくれる可能性もあります。新規事業と同時に、過去に取り組んだ事業をいかに育てていくかという視点も求められています。