インターネットが普及し、情報伝達・共有の手段といえば、SNSやメールが全盛の昨今ですが、だからこそ、書き手の思いがにじむ手紙など、アナログな手法が再評価される動きがあります。
そんな中、昔から地域にあるアナログ媒体の掲示板に着目してみました。昨年6月に地域情報サイト「あずまある」を開設してから、情報収集の一つとして注意して見るようになりました。隣町の夏祭りやイベントの情報など、市の広報紙や回覧板では知りえない情報も載っているからです。
東地区は自治会設置
一般的に掲示板は、行政や自治会が設置するケースが多いですが、前橋市の場合、地域にある掲示板の多くは自治会が開設しています。東地区にも自治会が管理している掲示板が点在。貼られているチラシは、公共性の高い行政や自治会、病院や大学等の行事やイベントの告知が多いようです。
行政が設置する掲示板について調べてみると、埼玉県三芳町は営利目的ではないことを条件に町が認めたイベントについて、2ヶ月間程度チラシの掲示が可能。東京都板橋区は、掲示板の下に広告板を貼る民間企業を募集しています。年間掲載料の3万円は、掲示板の維持管理費に役立てるそうです。
一方、行政以外が設置している場合でも、都内の一部町会は災害発生時に役立つよう避難場所が分かる「防災マップ」を掲示板の下地にしています。
ただ、車社会の群馬県。東地区も例外ではなく、掲示板を見るために車から降りる人はほとんどいません。 歩行者や自転車利用者でも閲覧する人は限られています。
誰でも見られる強み
しかし、掲示板には年齢を問わず、誰でも目にすることができる強みがあります。災害時に停電した場合でも昼間であれば判読できます。インターネットに触れないお年寄りを含め、地域の情報を伝える選択肢の一つとして、より積極的な活用できないでしょうか。
東地区では自治会が掲示板を管理しており、地域の方々の手により運営されています。行政が絡まない分、掲示物に関する裁量もあると考えられます。内容を吟味した上で、希望する地域の店の情報やイベントの告知があれば、掲載を考えていいかもしれません。広告掲載料をとり、自治会運営費に充てることもできるのではないでしょうか。
内容が面白く、新鮮な情報が集まる掲示板になれば、注目する人が増え、そこに情報を載せたい人も増える。そんな好循環が生まれたらいいですね。