行政

③休み時間に手軽に読める! 前橋市長選公開討論会 「中心市街地以外の商工振興」「駅前駐車場問題」編 @新前橋

前橋市長選に先立って、1月15日に新前橋で開かれた公開討論会の模様をお伝えしてきました連載も最終回。新前橋を含めた「中心市街地以外の商工振興」や、事前アンケートで有権者から質問があった「新前橋駅周辺の駐車場問題」などが身近な課題をテーマに議論しています。最後にあったパネラー5人の決意表明も掲載しました。

制限時間付きで発言した後、自由なクロストークがありますが、今回この部分は掲載していません。活発なやりとりがありますので、ぜひ動画でご視聴ください。

司会 次の設問に入ります。中心街以外の商工振興、支援制度、政策についてです。現在、支援は比較的中央部に向いているように思います。私たちのように地域で商工会を組んでいるようなところは自分たちで立ち上がらないと何もできない現状です。こういった政策の部分で立候補予定者の方々はどのように考えているか意見を聞きたいと思います。

佐田 私は商業の振興というのは重要なことだと思っております。私が子供の頃というのは立川町通り、弁天通りも中央通りも本当に人であふれていました。私は一番の商業の活性化のためには先ほども申し上げましたように、人口を増やさなければだめだと思っております。いろんな意味で主要幹線道であるとか、そういうストック効果を利用することによって、工業団地、 学校、住宅あらゆるものを造って、それを公共交通によって中央に運んでくる。そういうシステムが大事だと思います。昔は自転車で田舎から中央部に出てまいりましたけれども、そういうふうな形で私は前橋がストック効果を利用して首都圏から人を呼ぶ。そして人口を増やしていくということが最大の活性化の方向性である。私はそういうふうに思っておりますし、あらゆる規制をはらいながら人口を増やしていく。これが私は一番の方向であると思っております。

中島 私は周辺商店街も中心商店街と同様、買い物弱者対策としての側面から大変重要であると考えています。現在中心部の店舗には、まちなかホスピタリティ事業として、改修費や備品の一部が補助されていますが、私はこれを公平公正の観点から前橋市商店街連合会に加盟している店舗に限定して対象を拡大したいと考えています。また以前、新前橋商工会からもご相談をいただきましたが、かつて補助金を活用して独自に設置した街路灯の維持管理が難しくなっている商店街もあるようです。市民生活の安心安全という観点からも大変重要です。周辺商店街関係者の皆様ともしっかりと連携をし、街路灯の維持管理に努めてまいります。近年、 新前橋駅周辺の活性化が図られ、新前橋商工会自らロータリー祭を開催するなど頑張っていらっしゃいまして、新前橋周辺が変わったという印象があります。一方で新前橋駅周辺では、駐車場が不足をしておりまして、このことも新前橋商工会からご相談をいただきましたが、ロータリー内に新たな駐車スペースを確保できたのみであります。新前橋駅周辺の駐車場不足を解消するために、抜本的な対策を講じてまいります。

店橋 市民の身近で小売りや営業を続けてきた中小業者の皆さんが消費税増税で本当に厳しい経営状況が続いています。景気を冷やすこの消費税は5 パーセントへの引き下げを国に求めたいと思います。その上で商店リニューアル助成制度、商店の改装だけに限定せずに備品にも活用できて中心市街地だけでなく、市内どこでも活用できるように改善したいと思います。市民にも喜ばれる住宅リフォーム助成制度ですけれども、地域経済への波及効果も非常に高いと全国で広がっています。屋根や外壁、畳替えなど、市民が使いやすい制度にして、さらにそれを地域の中小企業の皆さんが受注する。こういう仕組みを創設していきたいと思っております。3 月で終了予定の小口融資なんですけれども、とても使いやすく保証料の全額補助は4月以降も継続したいです。新前橋は立地適正化計画で大型店を誘致しようという計画もあるんです。大型店の出店撤退は地域の商店街を衰退させますから、大型店を規制するルール作りが必要だと考えています。街のビジョンとして最初にお話しした通り、大型開発優先から生活密着型の公共事業や防災対策に中小企業の皆さんの力と知恵をお貸しいただきながら、地域社会と住民生活に貢献する中小企業をしっかりと前橋市としても応援をしていきたいと思っております。

岩上 新前橋駅周辺はポテンシャルの高い街だと思っております。高崎から(鉄道の)複線化がある新前でありますので、こういったことをどう活かしていくかが重要であります。長期的ビジョンを描きながら、しっかり前に進めていけるのではないかという思いも持たせていただいております。そんな中で新前橋商工会のような商工連に入っていない商工会の支援、こういったことも考えていかなければならないと思っております。公平性を担保しながら、様々な公的な団体等もある中で、しっかりとしたルール作りをしていく。「まちづくり」「 地域振興」、こういったものをしっかりと掲げていく中で、ルールや基準を作って、いろんな支援をしていくことはこれから重要なんだろうと思っております。最近中心街、その周辺の商店主の皆様から、そういった声はかなり増えてきております。「中心街ばかりではなくて、もっとこっちに目を向けてくれよ」。こういう話もある中で、これからの時代を先取っていくには周辺も含めて、活力ある街をつくっていくためにも周辺の皆様方の協力は最もこれから重要になっていくと思っております。そのために先ほども申し上げた通り、公平性を担保しながらのルール作りに取り組みながら、しっかりと地に足をつけた支援をしていきたいと思っております。

山本 今日は新前橋商工会主催ですけれども、それぞれの周辺独自に頑張っているお店はあって、拠り所になっているお店たくさんありますよね。行政としてもそういう人たちをバックアップしていく、当然のことだろうと思います。新前橋の商店街については、やっぱり個性として残していく。駅を降りると北側には市役所の平面駐車場、あれもったいないですよね。あれを立体駐車場化して、1階を駐輪場にして管理されていないような駐輪場はあそこに集めて小綺麗にして、そして駐車場を確保しながら、みんなが集える場所をつくっていく。ロータリー祭も楽しませていただきましたけれども、そういう使い方ができるんだろうと。前橋育英がパレードで黄色い旗が通りを埋め尽くす。そういう一体感のある商店街だからこそ、新たなチャレンジができる。市としてはLEDの補助で応援しておりますけれども、いろんな形で応援をしていきたいと思います。例えばシェアサイクル。駅の東口西口両方に置いて。「あずまある」と言う東地域を発信するブログを見ていたら、せっかくだから、「駅を中心にいろんな歴史文化を見て回って欲しい」みたいなコメントが載っておりましたけれども、そういうことにもシェアサイクル、自転車なんかは有効に活用できるんじゃないかなと思っていますね。いろんな形でまあ私自身も、東京出張の時は大概、JR前橋駅で乗って降りるのは新前橋駅。なぜならば美味しいお店がいっぱいあるからです。こんな楽しみをしながら、新前橋を盛り上げていく。いろんな商店街の一つのモデルになってもらいたいと思っています。

続いて、事前アンケートで集めた有権者からの質問に5人が答えました。さまざまな要望、質問があった中で、最初の質問は「行政の継続性」についてです。

司会 市長が変わるたびに前橋のまちづくりはその度に変更されており、停滞しています。持続・継続していくための基本的・普遍的な政策、文化が必要と考えますが、それは何だと思いますか。

中島 今のご指摘はですね、私も実は全く同感です。ですから今回の選挙戦では私はあえて争点のための争点づくりはしない、というのが基本方針であります。例えば、振り返りますと、萩原市長と高木市長の選挙、萩原市長がゴミを有料といえば、高木さんはゴミの無料。中心街に図書館を整備すると高木さんがいえば、山本市長はハコモノは作らない、あるいは清掃工場は延命化を図る、さらには美術館はつくらない。そういった争点のための争点づくりというのは確かにわかりやすいんですけれども、私は結果的には市民にとってマイナスだと思っております。 今決まっていることは進める。 ただ、これから決めることはより良くする、ということでございます。

店橋 市長が変わるたびに変わってしまうのは当然と言うか、変わったのは市民の声だというふうに思います。萩原市長から高木市長に変わるとき、私もその時、市議だったんですけれども、ゴミの有料化、市立前橋高校の中高校一貫校化、公民館の有料化、そういう自己責任ということを掲げた萩原市長に高木市長が勝ったと、それが市民の声だと思うんですね。そういう風に政策が変わるのは当然と言えば当然と思うんですれど、前橋は戦争で8月5日に大変被害にあい、中心市街地が焼け野原になった。そういうこれまでの前橋の歴史をきちんと踏まえて、次の世代、次の時代をつくっていくことなんじゃないかと思います。

岩上 先ほどから申し上げている通り、持続可能なまちづくりということは私の基本でありますので、大きなビジョンのなかでまちづくりというものは、大きな方向性を見出し、誰が市長になったとしても、概ねの方向でやっていくということには賛成という考えは持っております。しかし、全てが全部、引き継ぐということにはなかなかならないんだろうと。やはり争点化の争点ということよりも、その時々のなかでやっていくべきこと、やってはならないことは変わっていくと私は思っております。そういったものを判断していただくのも選挙だと思っております。やるべきことはやる。しかし、変えなければならないことはしっかりと変えていく。こういったことはこれから重要だと思っておりますし、メリハリを付けていかなければならないと思っております。

山本 中島さんがおっしゃられるように、まさにそういう対応は正しいんだろうと思います。ただ、変えるべき正義があるからチャレンジする、それも一つの選挙だろうと思います。しかしながら、まちづくりのような長い歴史の中で、継続しながら積み上げていくもの、これというのは民意というビジョンの中で作られていく。きちんとした約束事、ルール、これを守っていくというのは、私は当たり前のことだろうと思います。そこまで時の〝政権〟に自由裁量はないんだろうと、その点でも私は全く同感です。確かに前橋は短期政権で変わってきた。それによって進展が少なくなってきた。そういう弊害というのは大いにあったんだろうと思います。だからこそ新しいグランドビジョンをみんなで作った。今回は市民が作った約束事ですからそれに従ってまいりましょう。

佐田 私は決して他の方々の意見に反対を唱えるつもりは全くございません。私の考え方で公約も作らせていただきました。先ほど申し上げましたように昭和30年代のあのにぎわいを取り戻すためには人口を増やさなくちゃいけない。人口を増やすためにはやはりストック効果。 やっと上武国道もできましたし、なおかつ高崎との広域道路もできました。こういうことを利用して人口 を増やして(前橋に)来た若い方々に、本当に前橋に住んで子育ても良かった、前橋は素晴らしい街だと分かってもらうような政策を作って行かなくちゃいけない。 こういうふうに思っております。

司会 東地区40代の方からのご意見です。駐停車や乗り降りする場所が新前橋駅に不足しているように思います。送迎する際、そういった場所がなく、タクシーと喧嘩したことがあるとか、ロータリー内で事故を起こしたこともあるというご意見もいただきました。新前橋駅周辺の駐車場も含めた設備について30秒ずつ発表してください。

店橋 新前橋駅周辺は使いやすくて、ともて大好きです。東京に出かけるときは、いつも新前橋駅を使っているんですけど、やっぱり駐車場として、きちんとないというところで、みなさんとの衝突が起こってしまうのかもしれません。一定の区画を作った方がいいのかなとも思いますけれども、みんながうまくやっている部分もあると思います。駐車場はちょっと必要かなとも思います。

岩上 この駐車場の問題は色々な所からお話が出ています。しかし、こういったものはしっかり解決していく方向で動いて行くのは責任なんだと思っています。やはり、まちづくりをしていく中でも、毎日の生活の中での使いづらさ、毎日ストレスに思うことを少しでも取り除く。こういったことにしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

山本 短時間無料でパークアンドライドというのは絶対必要ですよね。それは先ほど申し上げた、北側の市営駐車場の使い方、もったいなさすぎますよ。だからこそ、いろいろチャレンジしているのですけれども、そこを頑張りながら、まちのにぎわいを創出できるのではないかと思っています。プラスして、マース(Mobility as a Service)みたいな新しい公共交通をどうにやって乗り入れさせるかでしょうね。

佐田 駐車場の点につきまして、非常に重要なことで、ちょっと買い物したり、駐停車するということは大事なことであります。これはJRも絡むことですから、その辺と話し合って行かなくちゃいけない。ちょうど私も申し上げましたけれども、前橋駅から中央駅まで要するにただの交通を使うとなれば、学生さん方も自転車で行かなくて済む。安全性が保たれる。こういうふうに思っておりますので、これはぜひ実現していきたいと思っております。

中島 私が市長になりましたら、必ず駅の隣の公営駐車場20分無料にいたします。それを利用して切符を買う、あるいは迎えに来ていただく。ただ地元なので毎日通りますけれども、民間の駐車場、結構満車が多いんですね。だから完全に不足していることは間違いないと思うので、その辺でも根本的な対策を考えていきたいと思います。

討論会開始から約2時間、活発な議論した後、最後に1分間で決意表明を行いました。

岩上 今日は本当にありがとうございました。まだ46歳でありますけれども、とにかく持続可能なまちづくりを目指して努力をしていきたいと思っております。これからの政治は言葉だけではなくて、実際にどんなことをして皆さま方に恩返しをしていくか、また市民生活を向上させていくか、地に足をつけて、現実的なことをしっかりと行なっていかなければならないと思っております。だからこそ地味な政策も色々と掲げさせていただいて、市長になったなら、皆さま方の心に響く、「何か少し変わってきたな」と思っていただける、まちづくりを目指して努力をしていきたいと思っております。政治は何はともあれ、情熱、 やる気。そして最後まで信念を持ってやり抜くということが私は一番重要だと思っておりますので、そのことをしっかりと腹に据えて元気いっぱい頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

山本 今日は素敵な時間をいただいて、私自身が勉強になりました。各パネラーの発言もいろいろ共有できるところ、いや違うんじゃないかと、色々思いながら聞かせていただいた時間でした。とにかく街は変わりつつある。それはみんなも実感していることだろうと思います。この町の変化をもっともっと加速していく。そしてみんなにとっても「おっ、こんな街ができた」と思えるような、そういう都市をこの前橋に作っていく。とにかくやりくりで、 できるだけお金使いたくないんです。PFIも民間に全部任せるのではなく、民間を信頼してパートナーとして一緒にまちづくりをする。大きな駐車場を建てれば何億円もかかるでしょう。それを土地を貸すことによって機能を生んでいただく。そういう新しい財政を 、やりくりを進めていくしかないと思います。ありがとうございました。

佐田 私は分かりやすい政策を上げていきたいと思っております。したがって、これは企業誘致を優先的に進めて、そして首都圏から、若い人もどんどん来ていただいて、そして、地元の雇用も確保する。そういう中におきまして、学校や住宅、あらゆる施設をつくって、公共交通で中央にきていただく。そして、また給食費を完全無料化し、子どもさん方も喜んで、「本当に前橋にきて良かったんだな」という前橋づくり。これをしっかり実現していきたいと思っています。

中島 私は市民の皆様に三つの約束をいたします。一つ目は市民第一の前橋に変えます。私は親身になって市民に寄り添い、市民第一の前橋に変えます。しがらみのない公正公平で、クリーンな前橋に変えます。私は一貫して政党には属さず無所属で是々非々を貫いて参りました。しがらみのない市民党です。三つ目は愛と温もりのある前橋に変えます。愛と温もりの市政を基本とし、市民の声が届く前橋にします。市民の力を結晶し、元気な前橋に変えましょう。よろしくお願いします。頑張ります

店橋 市民が安心して暮らせる環境を作ることが行政の役割だと思っております。平和を脅かすこととか、原発の再稼働、こういったことにはきっぱりと立ち向かっていきます。暮らしを応援する前橋市の象徴として、「すぐやる課」を設置します。市民が何か困った時に前橋市役所に駆け込めば専門家がきちんと対応する。非正規職員を増やしてますけれども正規職員にして技術や技能を次の世代に共有し、専門性を活かして前橋市の職員はワンチームで市民の暮らし応援団になっていく。いつ誰がどんな状況になっているか分かりませんから、前橋市は身近な相談相手として皆さんの暮らしをしっかりと支える。私は皆さんと一緒に前橋市を愛する人たちの手を合わせて、皆さんが輝くそういう前橋市をつくっていきたいと思っております。

以上で、3回にわたりお届けした公開討論会の連載は終わりになります。2月2日に告示した前橋市長選は過去最多の6人が出馬する混戦となりました。誰に一票を投じるのか参考にしていただければと思います。

連載記事の1、2回目はこちらになります。

①休み時間に手軽に読める! 前橋市長選公開討論会 「自己紹介」「4年間で最も実現したい政策」 @新前橋

②休み時間に手軽に読める! 前橋市長選公開討論会 「教育・子育て」「福祉」編 @新前橋

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