全国で水害が頻発するなか、大きな河川だけでなく、中小河川を含めた洪水に備えるため、前橋市は水害ハザードマップ(総合防災マップ)を改訂しました。
これまでは利根川、桃ノ木川、広瀬川、荒砥川、赤城白川の五つの河川のみを想定していましたが、市内全37の一級河川にかかわる「洪水浸水想定区域」に改めました。
これにより、滝川や染谷川も対象となり、市内でも特に東地区の「洪水浸水想定区域」は広がったので注意が必要です。
ハザードマップ改訂版は「広報まえばし」6月1日号とともに、全戸配布されたほか、市のホームページからダウンロードすることも可能です。事前にPCやスマホにダウンロードしておきましょう。
東、清里、芳賀地区など浸水想定追加
市は5月25日の定例記者会見で、ハザードマップ改訂を発表しました。
洪水浸水想定区域が追加された主な地域として、東地区を挙げています(動画33分ごろ)。
具体手には滝川や染谷川周辺で、床上浸水と1階水没の危険がある「0.5メートル~3メートル未満」、床下浸水が想定される「0.5メートル未満」の洪水浸水想定区域が追加されました。
「0.5メートル~3メートル未満」は薄いピンク色、「0.5メートル未満」は黄色で表示されています。
今回、37河川を対象としましたが、全ての河川周辺で洪水浸水想定区域が追加されて色がついた訳ではありません。
東地区以外の滝川周辺や清里地区の八幡川周辺、芳賀地区の藤沢川周辺なども新たに色がついたので確認しておきましょう。
山本龍市長は会見で「いままで色のついてない部分に色がついている可能性があります。ぜひ全ての市民の皆さまに確認をいただきたいと思います」と述べ、ハザードマップについては「できれば(自宅の)どこかに貼ってほしい」と呼びかけました。
警戒レベル4「避難指示」に一本化
また、災害対策基本法の改正により、全国統一で運用している避難情報の表現が5月20日から変更されました。
大きな見直しとして、災害の警戒レベル4で発していた「避難勧告」と「避難指示」の併用を見直し、「避難指示」に一本化されました。
自治体などが発する「避難勧告」が軽視されていることへの対応で、「指示」という強い言葉で適切な避難行動を促す狙いがあります。
警戒レベル | 改正前 | 改正後 |
5(命の危険、直ちに安全確保) | 災害発生情報 | 緊急安全確保 |
4(危険な場所から全員避難 ) | 避難勧告、避難指示 | 避難指示 |
3(危険な場所から高齢者等は避難 ) | 避難準備・高齢者等 避難開始 |
高齢者等避難 |
また、学校統合を受け、春日中学校、広瀬中学校を指定避難所から除外し、明桜中学校を追加しました。
今後、集中豪雨や台風の季節となります。改訂されたハザードマップで自宅の位置を確認し、避難場所を考えておきましょう。