「赤城山と利根川を一緒に見られるのが利根西地域の魅力なんです」。先日、ある人と話して新鮮な視点を与えられました。数え切れないほど目にした見慣れた風景なのに、このような視点で見ていなかったので、盲点というか、なるほどと感心してしまいました。
利根川が南北に貫く前橋市では、東地区を含めた川西側の地域を「利根西」と言います。 確かに群馬大橋などの西側から北東の方向を望むと、「手前に利根川・後方に赤城山」という風景を満喫できます。
赤城山は榛名山、妙義山とともに上毛三山の一つであり、言うまでもなく群馬のシンボル。そして、大水上山を源流として日本一の流域面積を誇る利根川も県民にとって、なくてはならない存在です。 この二つの〝宝物〟を一度に見ることができるのは、利根西地域の魅力と言っていいでしょう。
赤城は見る場所により、異なる姿を見せてくれます。以前、伊勢崎市が職場だった際、そこから眺める赤城山は前橋から見るのとは違う美しさがあり、新鮮でした。出身地や住んでいる場所により、それぞれの人が赤城山の原風景を持っているのではないでしょうか。
気づきを共有することから
一方で、地域の魅力は住んでいる人間が気づかないことが多いと感じます。「赤城山と利根川が一緒に見える」価値も言われるまで意識していませんでした。訪日外国人の人気スポットとなって、はじめて地域の潜在力に気づかされることもあります。まずは誰かが気づいた地域の魅力をみんなで共有して、地域の価値として認識する必要がありそうです。
そうすれば、インスタグラムに投稿する人が増えるかもしれないし、話題になれば写真コンクールやイベントが開かれるかもしれない。その風景が気に入り、移住する人が出てくる可能性もあります(以前話をした神奈川から群馬に移住した人は、移住理由に「風景」を挙げていました)。地域の魅力はそこに住む人が当たり前すぎて、見逃してしまうこともあります。それぞれのお気に入りを持ち寄り、発信していくことで一歩動き出すこともあるのではないでしょうか。