コラム

なぜ前橋が日本酒の支出額全国トップになったのか 2020年総務省家計調査を考える

2021年5月8日

前橋が清酒の家計支出額日本一。先日の上毛新聞に、ちょっとびっくりした見出しが躍りました。

総務省の2020年家計調査(総世帯)において年間支出額が8852円となり、都道府県庁所在地と政令指定都市52都市の中で前年の22位から1位に躍進したという内容です。

前橋の人は、そんなに日本酒が好きなんだ。知らなかったです。

ツルヤ出店で熾烈な競争

2019年は4892円ですから、1.8倍と伸び率がすごい。なぜこのようなことになったのか推測してみました。

2020年はコロナ禍で全国的に「家のみ需要」が増えました。当然、これは前橋だけに限った話ではありません。

また、お酒はビールや焼酎、ウイスキーなどもありますので、なぜ前橋で日本酒の支出が伸びたのか知りたくなってきました。

酒類販売関係の方と話したところ、フレッセイをはじめ、スーパー各社が地酒の販売に力を入れたことが大きいと分析していました。

数ある商品の中でも日本酒は地域性や特色を出しやすく、差別化を図りやすいそうです。

前提には、土田酒造をはじめ県内酒蔵が個性あふれる良質な酒をつくっていることが考えられます。

ここで頭によぎるのは、他県のスーパーも日本酒の販売に力を入れているのではないか、ということ。

前橋特有の状況と考えられるのが、長野最強スーパーと呼ばれるツルヤの存在です

2020年11月、前橋市公田町にツルヤ前橋南店がオープンしました。

今回の結果は2020年調査のものであり、ツルヤ直接の影響は2か月弱ですが、押し上げ効果はあったとみられます。

長野県産商品を数多く扱うツルヤの出店を警戒する群馬県内のスーパーは相当な緊張感を持ちながら、2020年は地酒を含め清酒販売にも力を入れたのではないかと考えられます。

また、群馬の地酒の魅力を発信する「群馬SAKETSUGU」が企画した参加者の多いオンライン飲み会のほか、新前橋の高橋与商店に代表されるような専門店の地道な取り組みが下支えしたといっていいでしょう。

ありきたりな言い方になりますが、今回の全国1位は群馬の酒蔵、小売店それぞれが頑張ったからではないでしょうか。

「日本酒のまち前橋」に

調べたら、前橋はもともと日本酒への支出は多い街でした。

2018~2020年の平均(2人以上の世帯)でも秋田市、福島市に次いで3位に付けています。

「水と緑と詩のまち前橋」、「自転車のまち前橋」といったキャッチフレーズに、「日本酒のまち前橋」を加えてみいいかもしれませんね。

2019年は栃木県(1万2298円)がトップでした。調査結果の変動は大きいようなので、2021年がどうなるのか注目したいと思います。

 

全国家計調査 ホームページ(e-Stat)

※2020年調査結果については、『<品目分類>1世帯当たり年間の支出金額,購入数量及び平均価格』の『都市階級・地方・都道府県庁所在市別』(清酒はエクセルシート2枚目)をご覧ください。

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